第48回情報リテラシー連続セミナー@東北大学は、11月14日(土)に北海道教育大学教職大学院准教授の川俣智路先生をお迎えして実施されました。新型コロナの影響から、前回に引き続き、今回の連続セミナーもオンライン会議システムZoomを活用しての開催となりました。今回の題目は「学びのユニバーサルデザイン(UDL)が教室を変える」です。川俣先生は、臨床心理学、教育心理学、特別支援教育がご専門で、学びのユニバーサルデザインに関するご研究をされています。
本セミナーでは、学びのユニバーサルデザインが目指す学習者像や、学びのユニバーサルデザインを取り入れることによって、授業や学習者がどのように変容するのかについてご説明いただきました。学びのユニバーサルデザインとは、アメリカのCASTという機関が提唱した、全ての子供を、主体的に学ぶことが出来る学習者(学びのエキスパート)に育てるためのフレームワークです。川俣先生は、学びのユニバーサルデザインを考える上で重要なこととして、何を学習するのか(GOAL)、なぜ学習するのか(WHY)を示すことを挙げていらっしゃいました。実際に、学びのユニバーサルデザインを取り入れた授業をいくつかご紹介いただきました。児童生徒が、何を、なぜ学習するのかを理解し、自分で自分の学び方を判断して、積極的に学習している様子がみてとれました。
川俣先生は、テクノロジーは、自分の学びを舵取ろうとする学習者の武器であり、学びのユニバーサルデザインと深く関わるものであるとおっしゃっていました。テクノロジーが学校現場に導入されることで、今までは先生が一つ一つカスタマイズしていたものを、テクノロジーが代替してくれるだけでなく、学習者の学び方自体が変容していくとのことでした。現在、GIGAスクール構想によって、全国の小中学校に、一人一台情報端末が整備されてきています。教師が、主体的な学習者をどう育てるかというマインドセットを持ち、テクノロジーを活用して、多様な学習者に合わせた多様な学びをデザインしていくことが重要だと学びました。
今回の連続セミナーも前回同様に、Zoomを用いたオンライン会議での講演とZoomの1機能であるブレークアウトルームを駆使したディスカッションが行われました。以前の対面でのセミナーと同様に、今回も、参加者の皆様から沢山のご質問が集まり、活発な議論が行われました。
川俣先生、この度は大変お忙しい中、貴重なお話をしてくださり本当にありがとうございました。
(博士前期課程2年安里基子)