第50回情報リテラシー連続セミナー@東北大学は、新型コロナの影響により、前回に引き続き、オンライン会議システムZoomを活用しての開催となりました。
上越教育大学教職大学院准教授の河野麻沙美(かわのまさみ)先生にご登壇いただきました。題目は「新たな学びを創る授業研究:学びを『見る』『分析する』『仕掛ける』」です。河野先生は、教育方法学や学習科学の視座から、授業研究について国内外の学校の事例を取り上げたご研究をされたり、学校での授業改善について指導・助言をされたりしています。
授業研究という言葉は広義に用いられています。今回は、教師が授業の改善を図り、専門性を開発していくという定義の基で、授業研究のあるべき姿について示唆していただきました。
授業研究を行う際には、授業研究の目的を常に意識することが重要だとのお話がありました。授業研究とは、研修や働き方改革とは異なり、教師が授業における学習について探究し続けることが大切だと学びました。また、その際には、授業者の先生の主体性を重んじることや、一方で教師が互いに学び合うことが求められるとのことでした。
また、近年個々の学習過程が多様になっていることや、児童が1人1台のICTを活用していることなど、授業の様子が変わってきています。河野先生は、これらを踏まえて、授業研究にも進化が求められている、とおっしゃっていました。例えばICTを活用することで学習過程が蓄積、可視化されることにより、1時間の授業を観察するだけではなく、学習過程そのものを分析することが可能になるということでした。単発の授業を対象とするのではなく、日々の授業を対象としていくことで、新たな授業のあり方に即した授業研究が可能になるのだと教えていただきました。
会の後半では、Zoomのブレイクアウトルーム機能を用いて、参加者間のディスカッションが行われました。ディスカッション後には、参加者の皆様からは、新しい学習観、ICTを活用した授業に即した授業研究のあり方についてなど、たくさんのご質問が集まりました。
ご講演いただいた河野先生、この度は授業研究について、貴重な情報を提供していただき、誠にありがとうございました。
また、今回を持って、これまで情報リテラシー連続セミナーの運営に深く携わってくださった、東北大学大学院の窪先生と篠澤先生が、運営側として参加される最後の会となりました。長年このセミナーを支え、学びの機会を提供してくださり、誠にありがとうございました。
(博士前期課程2年 遠藤みなみ)