第54回情報リテラシー連続セミナー@東北大学は、新型コロナの影響により、前回に引き続き、オンライン会議システムZoomを活用しての開催となりました。今回は「教育政策をふまえて考える学校の働き方改革」と題して、帝京大学教職研究科 町支大祐先生にご講演いただきました。町支先生は、教職員の異動によるストレス、同僚等との関係、職場環境等の教師の成長や働きやすさについての研究をなさっています。
今回のセミナーでは、「①WhatからHow」「②情報化と働き方」「③政策と働き方」という3つの視点からお話しいただきました。
「①WhatからHow」については、働き方改革を進めるために「何を行うか」(What)を考えるだけではなく、働き方改革を「どのように進めるか」(How)についても考えていく必要があるとお話しいただきました。どの学校でも効果を発揮する魔法の杖はないからこそ、その学校に合った働き方改革を考えていくことが大切とのことでした。また、教職員一人ひとりが働き方改革を自分事として捉えていけるように、教職員全員で対話をすることも大切なことであるとのことでした。
「②情報化と働き方」については、情報化による働き方改革の推進は、早期に実現ができ、効果を実感しやすい特徴があるとお話しいただきました。健康観察や意向調査、採点等をデジタル化することで働き方改革を推進した事例を多数ご紹介いただきました。ブレイクアウトセッションにおける参加者間のディスカッションやチャット欄への書き込みでも、情報化による働き方改革の推進について、様々な実践事例が共有されました。
「③政策と働き方」については、行政と学校とがお互いにリスペクトした関係性であることが重要で、そのためには制度・政策の意図を知ったり、政策と学校の現状とを照らし合わせてうまく活用するといった行政リテラシーが重要ではないか、とお話しいただきました。学校は行政の立場を理解したうえで、より良い制度にしていくための情報発信をする必要があるのとのことでした。
コロナ禍により、学校を取り巻く状況は大きく変化しています。この状況だからこそ、「変えること」に対するハードルが下がっているのではないか、というお話がありました。これまで学校教育の中で行われてきたことをもう一度見直すことが、働き方改革に繋がっていくとのことでした。
町支先生、この度は大変お忙しい中、貴重なお話を大変ありがとうございました。
(メディア教育論ゼミOG 安里基子)