第55回情報リテラシー連続セミナー@東北大学は今回も新型コロナウイルス拡大の影響で、オンライン会議システムを用いた開催となりました。
京都教育附属桃山小学校の樋口万太郎先生に、「GIGA時代の授業づくりで大切なこと」と題してご登壇いただきました。樋口先生は、算数科教育の研究会でもご活躍されいてます。
最近は、GIGAスクール構想により情報端末が整備されたことで「授業で端末をどう使うか」ということについて取り上げられる機会が増えています。今回のセミナーでは、さらに樋口先生の授業論に迫るような、「タブレット端末を使って、授業をどう変えたいのか」についてお話いただきました。
授業をどう変えるのかについてのポイントとして、「①先を見越た授業づくり」「②情報端末の活用を取り入れた授業の4つの段階」を示してくださりました。
「①先を見越た授業づくり」については,具体例として、1年生の「くりあがりのあるたし算」の単元構想を示してくださりました。1年生で扱うたし算に関わる単元は5つです。樋口先生は、1つ目の単元を行う際にすでに「くりあがりのあるたし算」の授業を構想されていたとのことでした。さらに、情報端末の活用も同時期からはじめ、単元の見通しや振り返り、操作活動をする際に活用できるよう、情報活用能力を育成されてきたとお話がありました。
「②情報端末の活用を取り入れた授業の4つの段階」については、「黎明期→混乱期→機能期→最適期」の4つの段階があるのではないかと示してくださりました。樋口先生は情報端末を取り入れた授業がしっくり来るまでに3年間かかったそうです。堀田先生は、「道具として使いながらICTを学ぶのには一定の時間がかかる。混乱期で活用をやめてしまうと、機能期、最適期がやって来ない」とコメントされていました。
後半はブレイクアウトルームが2回設定され、樋口先生の講演への感想や、各校の取組の様子などについての情報交換が行われました。特に、教師の授業観の変化について、時代の変化、学習指導要領の改訂とともに、教師主導の授業から、子供主体の授業へ変化していること、変化が求められていることが話題になりました。
樋口先生、大変お忙しい中でご講演いただいたこと、心より感謝申し上げます。
(メディア教育論ゼミOG 遠藤みなみ)