第60回情報リテラシー連続セミナー@東北大学は、新型コロナウイルスの影響により、前回に引き続き、オンライン会議システムZoomを活用しての開催となりました。
「あなたの知らないICT支援員」と題して、「合同会社かんがえる」代表の五十嵐晶子さんにご講演いただきました。
五十嵐さんは、神奈川県を中心に教員研修講師やICT支援員・運用コーディネータを勤めていらっしゃいます。2020年に「合同会社かんがえる」を設立され、ICT支援員向け研修の提供や、オンライン自習室、プログラミングワークショップ、企業コラボイベントなどを展開されています。
「ICT支援員」という役職は、学校教育法施行規則にも明記されており、学校における教員のICT活用をサポートすることにより、ICTを活用した授業等を教師がスムーズに行うための支援を行う立場にあります。
本日のご講演では、ICT支援員さんに求めることができる業務や、ICT支援員さんが感じている困難についてお話いただきました。
ICT支援員さんの業務としては、大きく、①授業支援、②校務支援、③環境整備、④校務研修があるそうです。雇用形態の課題から、できる業務に制限がある部分もあるそうですが、授業の教材準備や機材設置、学校ホームページの支援やアンケート集計など、多岐に渡る業務についてご相談することができるということでした。
また、ICT支援員さんの抱えている課題についてもお話してくださり、今後、ICT支援員さんのサポートを受けやすくするための参考になりました。課題としては、例えば複数の学校・教員と関わるからこそ、それぞれの教育・授業の方針の違いを感じられることや、なかなか教員とコミュニケーションを取る時間が取れないことなどがあるそうです。
これらの課題に対して、教員との協力が可能なこととして、ICT支援員さんに授業を参観していただくことで、サポートの方向性を検討することが挙げられていました。また、教育委員会単位では、ICT支援リーダーを設置することで、各自治体のICT整備に関わる総務課や、学校と繋がりのある指導主事、ハード・ソフトの修繕・調整に関わるICT関連企業との連携を取ることが可能になるとのことでした。
このように、いくつか課題は残るものの、学校がICT支援員さんにサポートしていただけることが多くあり、多忙化を極める学校現場では大変頼もしい存在であることが感じられました。
今回の連続セミナーも前回同様に、Zoomを用いたオンライン会議での講演とZoomの1機能であるブレークアウトルームを駆使したディスカッションが行われました。講演中にも、チャット機能を用いて、たくさんの議論が行われました。ICT支援員・教員・企業等、様々な立場から、どうしたらよりよくICT活用を推進することができるのか、アイデアが飛び交いました。また、以前の対面でのセミナーと同様に、今回も、参加者の皆様から沢山のご質問が集まり、活発な議論が行われました。
五十嵐さん、この度はご多用の中、貴重なお話をしてくださり、誠にありがとうございました。
(メディア教育論ゼミOG・遠藤みなみ)