第64回情報リテラシー連続セミナー@東北大学を開催しました

第64回情報リテラシー連続セミナー@東北大学は、新型コロナウイルスの影響により、前回に引き続き、オンライン会議システムZoomを活用しての開催となりました。
 「Society 5.0時代に求められる『データの活用』の指導」と題して、愛知教育大学 数学教育講座・准教授 青山 和裕先生にご講演いただきました。

  青山先生のご専門は、統計教育、数学教育です。学習指導要領解説の算数編や、算数科教科書、全国学力・学習状況調査の作成・実施に関わっていらっしゃいます。
 今回のセミナーでは、情報化が進展し、Society5.0に向かっていく状況の中で生じた統計教育に関する教育内容やカリキュラム改革や、Society5.0時代を生きていく子供たちに身につけさせたいリテラシーについてお話しいただきました。

 現行の学習指導要領では統計教育の充実が目指されており、算数・数学において「A 数と計算」「B 図形」といった領域「D データの活用」領域が新たに設定されました。これは、これからの時代に合う形で、算数科の教科内容を再編したということだそうです。これからの時代では「数理・データサイエンス・AI」が基盤となるため、全ての子供たちにこれらの素養を養っていく必要があるとのことでした。

 スポーツにおけるデータ解析、検索エンジンによる新社会人の悩みの分析といった具体例から、私達の身の回りにはたくさんのデータがあり、それらが利活用されているのだとお話しいただきました。データの見せ方によっては、誤った理解をしてしまうこともあるため、データを正しく読み取ることがまず大切とのことでした。授業の実践事例からは、現実にあるデータを子どもたちが利活用する中で、教科等の学びを深めていきながら統計的なリテラシーについても獲得していくことができるのだとご説明いただきました。

  今回の連続セミナーも前回同様に、Zoomを用いたオンライン会議での講演とZoomの1機能であるブレークアウトルームを駆使したディスカッションが行われました。また、以前の対面でのセミナーと同様に、今回も、参加者の皆様から沢山のご質問が集まりました。ディスカッションでは、子供の統計的なリテラシーを育成するためにも、大人が統計的なリテラシーを身につけている必要があるのではないか、といった議論が行われました。

 青山先生、この度は大変お忙しい中、貴重なお話をしてくださり本当にありがとうございました。


 (メディア教育論ゼミOG・安里基子) 

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