第66回情報リテラシー連続セミナー@東北大学を開催しました

 第66回情報リテラシー連続セミナー@東北大学は、新型コロナウイルスの影響により、前回に引き続き、オンライン会議システムZoomを活用しての開催となりました。

 「子供たちの『自律』と『協働』を支える学級経営」と題して、京都教育大学附属桃山小学校・若松俊介先生にご講演いただきました。

 若松先生は、小学校教諭として教鞭を取りながら、『教師のいらない学級のつくり方』、「教師のための『支え方』の指導」などの学級経営に関する書籍や、教師としての生きざまを記した『教師としてシンプルに生きる』を出版されています。

 今回は、若松先生ご自身の実践経験を基礎として、子どもたちが育つための学級経営に関するお話をしていただきました。まず、「子供たちが育つ」を支える教師とは、最終的なゴールを、教師の願う望ましい姿だけでなく、その子ども・子どもたちの願いに枠を広げた形で設定し、子供たちの現在地からそのゴールを目指すために、必要な指導や支援・声かけを行う教師であると語られました。こうした教師像が求められる背景には、急激に変化する社会の中で、自分の良さや可能性を認識できることや、あらゆる他者を価値のある存在として尊重できること、多様な人々と協働できることが求められていることがあるとのことでした。多様性が認められるようになってきた現代において、若松先生が、学級内でも相互に認め合う雰囲気を大事にされていることがわかりました。

 「子供たちが育つ」ようになるために教師が心掛けられることとして、「何をするかと共に何をしないか」を考え続けるということが取り上げられました。例えば、給食当番の仕事がうまく回らず、給食の準備に時間が掛かってしまったり、それに対して教師が指導をするということはよくあります。しかしながら、「子供たちが育つ」ということを考えると、教師がすぐに指導をしてしまうのではなく、子供たちが自分たちでルールを決めたり、より良い方法を考えることで、「学級を自分たちで作っている」と感じられる場面を作る方が良いのではないかとお話くださりました。その次のステップとして、「うまくいかない」を乗り越える、「子どもたち自身で成長する」というように段階的に教師の役割を減らして次第に子供たちの自律性に委ねていき、子供たちが自分たちの幸せを自分たちで作っていくという学級になっていくのだそうです。

 今回の連続セミナーも前回同様に、Zoomを用いたオンライン会議での講演とブレイクアウトルームを駆使したディスカッションが行われました。Zoomのチャットへのコメントが多く投稿され、参加者の皆様の考えもたくさん共有された会となりました。

 若松先生、この度はお忙しい中、貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。

 (メディア教育論ゼミOG・遠藤みなみ)

 

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