オンライン会議システムZoomにて、第71回情報リテラシー連続セミナー@東北大学が開催されました。
第71回目の講演は、京都府公立小学校教諭、文部科学省学校DX戦略アドバイザーの坂本良晶先生による「クラウド×AIで授業と校務をアップデート」でした。
坂本先生は、民間企業での経験を生かして、学校という組織や仕事の進め方について、早い段階から積極的な発信を続けてきました。GIGAスクール構想によって情報端末やクラウド環境が整備され、ICTやAIを活用した働き方改革や授業改善に取り組まれてきました。
ご講演中にお示しいただいた、子どもたちが授業で作成した成果物からは、子どもたちがクラウド環境を活かして協働的に学んでいることや、アプリの機能を上手に活用して学びを深めていることがうかがえました。また、坂本先生が実際に生成系AIを教材研究や校務にどのように活用しているか、デモンストレーションも交えてお示しいただき、参加者は授業や校務での活用の大きなヒントを得ることができました。
生成系AIの活用について、坂本先生から「スマホにアプリも入れていろいろ使ってみて、試行錯誤はかなりしている」というお話がありました。まずは教師が使ってみて、便利さを実感して活用を楽しみ、そこから仕事にどう活かすかということに繋げていくという流れをお示しいただきました。また、生成系AIの活用によって学び方にも改革がおこるということもお話いただきました。情報端末とクラウド、そして生成系AIが基盤となった時に、子どもの学びはどうなるのか、何を身に付けさせるべきなのか、先を見据えながら今できる実践を積み重ねることの大切さをお示しいただきました。
ご講演後のディスカッションでは、AIやクラウドを活用して授業や校務の改善を進めていこうとする学校や地域の方々から多くの質問、感想が挙がりました。使用する際のルール作りについてや、組織で活用を推進する方法、AIやクラウドが基盤となる社会で子どもに身に付けさせたい力など、現場の現実を反映した質問がたくさん寄せられました。
それらに対して、坂本先生は、これまで以上に変化が早く、ルールを作っても変更することになるので状況に合わせて変えていくこと、「あらやだ便利」「こんなに便利なん面白い」と思ってもらえる場面に出会ってもらうこと、自分らしい見方を働かせることができるようになることなど、これまで試行錯誤を重ねながら、これからの教育について考え続けている坂本先生だからこその回答をいただきました。
坂本先生、AIとクラウドを組み合わせた具体的な活用方法や、それに伴う授業や校務の改善への取り組み方や考え方について貴重なご講演をありがとうございました。
(メディア教育論ゼミOB・大久保紀一朗)