情報基礎数理学I
情報基礎科学専攻
情報基礎数理学I A01 Mathematical Structures I
研究キーワード組合せ論, 代数的グラフ理論, 組合せデザイン, 有限群論, 結び目, 3次元多様体, 量子不変量, Heegaard Floerホモロジー
代数的、離散的な手法を基にした数学の研究
(1)代数的組合せ論
1970年代、Delsarte によって符号理論とデザイン理論に統一的に線形計画法を応用する枠組みとして発展してきた association scheme の理論は、有限群の作用する空間の一般化として代数的グラフ理論、代数的符号理論、組合せデザイン理論を支える一方、その後独自の発展を遂げている。そこで、association scheme の基礎となっている、グラフの固有値の研究、有限群とその表現論、線形代数学と最適化に関連した代数学を、組合せ論に応用する手法を研究する。
(2)符号理論と格子
符号とは、有限体上の有限次元ベクトル空間の部分空間という極めて単純なものであるが、組合せ論の問題を代数的に研究する道具である一方、格子に関連して 整数論、特に保型形式の格好の応用対象でもある。符号の中でも特に面白い性質を持つ自己双対符号は、ユニモジュラ格子を通して球の詰め込み問題や球デザイン理論にも関連している。さらに、符号と格子から数理物理に関係がある頂点作用素代数を得ることができる。これらの符号、格子の構成、分類やその間の関係を研究している。
結び目と3次元多様体の研究
結び目と3次元多様体を研究しています。特に量子不変量とHeegaard Floerホモロジーに興味を持っています。量子群の表現からYang-Baxter方程式の解であるR-行列を作り、それを用いて組紐群の行列表現を与えることで、結び目の量子不変量を構成できます。そして、Heegaard Floerホモロジーはシンプレクティック幾何学のテクニックを用いて定義された不変量です。このような代数、解析的な方法で定義された不変量の位相的な応用と解釈に興味を持って研究しています。
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6次対称群の2つの共役類
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Yang-Baxter方程式