流動システム情報学
応用情報科学専攻
流動システム情報学 D09 Flow System Informatics
研究キーワード数値流体力学、乱流、渦の動力学、数理流体力学、流れの安定性、空力音響学
流動システムの数値シミュレーション研究と理論研究
本研究室では流体力学の基礎研究を行っている。流動システムは、生物レベルから地球・宇宙スケールの諸現象、さらに航空宇宙、地球環境、次世代エネルギー産業などの工学応用など、幅広い分野にあらわれる。コンピュータの飛躍的な発達に伴い、流動システムの数値シミュレーション研究の応用範囲が拡大する中で、シミュレーションの精度に対する要求が高度化するのと同時に、大規模データから知見を引き出す手法に対するニーズが高まっている。これに応えるべく、本研究室では流動システムにおける普遍的な法則の発見、共通する現象の解明、さらには汎用的な手法の開発を行っている。
(1) 数値流体力学
- 複雑形状物体や運動/変形する物体を含む流れ、およびそれから発生する空力騒音の直接数値解法の開発
- 多孔質材の利用による空力騒音低減の直接数値シミュレーション研究
(2) 乱流の統計的性質の解明と乱流モデルの開発
- 統計的機械学習による新しい乱流モデルの開発
- 後退翼上の境界層の層流域拡大に関する数値シミュレーション研究
(3) 渦の動力学と流れの安定性解析
- 渦輪の不安定化過程と乱流遷移
- 双曲型不安定性と波動の位相シフトによる複合的不安定性の解明
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壁面粗度による境界層遷移の制御(上図:制御なし、下図:制御あり)。乱流の発生が抑制され、層流域が拡大している。
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統計的機械学習によるSGS応力の推定。左図が直接数値シミュレーションの結果、右図がニューラルネットワークによる推定。両者がよく一致していることを示している。