健康情報学

応用情報科学専攻

健康情報学 D11 Health Informatics

  • 木内 喜孝 教授 (Prof. Yoshitaka Kinouchi)    
  • 伊藤 千裕 教授 (Prof. Chihiro Ito)    
  • 井上 淳 准教授 (Assoc. Prof. Jun Inoue)      
  • 建部 俊介 准教授 (Assoc. Prof. Shunsuke Tatebe)    
  • 北 浩樹 助教 (Assis. Prof. Hiroki Kita)    
研究キーワード炎症性腸疾患、糖尿病、高血圧、動脈硬化、精神疾患、感受性遺伝子、エピジェネティクス、バイオマーカー、先天性心疾患

多因子疾患とその病因・病態解析

生体の恒常性の維持には神経性、体液性、行動性調節機序が重要な役割を果たしている。これらの調節系は外的、内的負荷に対して秒単位の応答、から年単位の応答等の時系列で応答し、代償されることにより健康な生命維持機能が保持されている。ライフスタイルの異常によりこれらの応答機能に破綻が起こると健康が障害され、生活習慣病等種々の疾病が惹起される。この視点より本研究室では、炎症性腸疾患に関する研究、糖尿病を含む生活習慣病に関する研究、循環器疾患の疫学に関する研究、精神疾患に関する研究を進めている。

炎症性腸疾患に関する研究では、その発生機序・病態解明とその臨床応用を遺伝因子解析から行っている。特に、日本人炎症性腸疾患の感受性遺伝子の同定、感受性遺伝子の機能解析、バイオマーカーの開発、さらに治療開発を医学系研究科消化器病態学分野と共同で行っている。また疾患感受性に影響を与えるあるいは病態に寄与するエピジェネティクス変化について、臨床検体を用いた解析を行っている。

糖尿病・生活習慣病に関する研究では、特に糖尿病性腎症においてはrenin-angiotensin系との関連や、酸化ストレスとの関与等について詳細に検討している。また学校検診における尿検査の意義についても研究をしている。
循環器疾患の疫学に関する研究では、成人期に移行した先天性心疾患の患者さんを対象として、健康関連QOL(quality of life: 生活の質)と予後との関係や脳MRI画像等の解析による発達障害、加齢リスクの解明に取り組んでいる。

精神疾患に関する研究では、精神疾患における中枢ヒスタミンの役割についての研究や、精神疾患の感受性遺伝子の検索を行っている