令和3年3月 東北大学大学院情報科学研究科 学位記伝達式 研究科長の祝辞を掲載いたしました

 

令和3年3月   東北大学大学院情報科学研究科   学位記伝達式

 

祝    辞

 

本日、学位記伝達式を迎えられた、博士課程前期2年の課程136名、博士課程後期3年の課程19名の皆さん、修了おめでとうございます。また、ご家族並びにご関係の皆様にも心よりお祝い申し上げます。

 

皆さんの旅立ちを祝すご挨拶ではありますが、この1年間の新型コロナウイルス感染症の拡大と、これに直面した私たちの未曾有の体験について触れておきたいと思います。まず、コロナ禍の中、亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、今なおこの感染症と闘っておられる方々にお見舞いを申し上げます。また医療関係をはじめ感染症対策の最前線で私たちを支えてくださっている方々に深く感謝の意を表したいと思います。

 

そして、本日、皆さんにお会いして、学位記を伝達する機会がもてなかったことは大変残念なところです。本研究科も社会の一員として感染拡大防止に取り組んでまいりましたが、そのことによって皆さんの馴れ親しんだ学修環境や研究室活動が一変し、とりわけ学位論文取りまとめの最終年度にあたって様々な困難が生じたことと思います。皆さんは多々あったであろう困難を乗り切って、本日、無事に課程を修了して本研究科を巣立っていかれることになりました。皆さんの努力に大いに敬意を表するとともに、この間の大学・研究科に対するご理解、ご協力への感謝をお伝えしたいと思います。

 

皆さんは修了されてから、今後、様々な形で実世界の課題に取組んでいかれることでしょう。まさに、ポストコロナを見据えたデジタル・トランスフォーメーションが急速に進行しています。そこでは様々な知識やスキルや仲間や能力が必要とされるはずです。実世界の問題解決のために、ますます学際的かつ総合的なデータ科学は不可欠となることでしょう。この研究科は学際性をポリシーに掲げていることを思い出してください。ものの見方の多様性を許容して、そこに相互作用を起こすことこそが創造の源泉であるという考え方です。

 

この研究科で学んだ皆さんが、学際性を背景として、自分の役割を見出し、社会に必要とされる人材となり活躍されることを願っています。また、これからは同窓生として、本研究科とも末永くお付き合いください。ホームカミングはいつでも歓迎します。

 

本日は誠におめでとうございます。ではまた。いつかどこかで会いましょう。
 

 


令和3年3月25日
情報科学研究科長
尾畑 伸明