第85回情報科学談話会のお知らせ(2022年11月10日開催) 吉本敦客員教授「森林資源管理における最適化モデルの展開」・浜端朋子特任助教 (研究)「遺伝情報で読み解く野生生物の過去と現在」

 
日時 2022年11月10日(木) 15:00~17:00
場所 Google Meetによるオンライン開催
話題提供者 吉本敦 客員教授
浜端朋子 特任助教(研究)
提供者所属 吉本敦 客員教授:統計数理研究所・応用情報科学専攻 複雑系統計科学講座
浜端朋子 特任助教(研究):応用情報科学専攻 生命情報システム科学分野
話題 吉本敦 客員教授「森林資源管理における最適化モデルの展開」
浜端朋子 特任助教(研究)「遺伝情報で読み解く野生生物の過去と現在」
概要  かつて木材生産を担っていた林業が森林資源利用の中心的な役割を果たしてきました。しかしながら、今日森林を取り巻く社会ニーズの多様化に伴い、“生態系サービス”と言った様々な機能の提供が求められています。従来の水源涵養機能などに加え、温暖化防止を担う炭素吸収機能、生物多様性維持、野生動植物保護、また災害を軽減する防災機能など森林の果たす役割も多様になっています。これらの機能を十分に発揮させるには、森林資源の管理を“適切に”行っていく必要があります。そこではデータに支えられた森林の成長モデル、モデルの利用による将来予測、また、予測を軸にした最適化手法による管理に対する意思決定支援、最適化モデルを用いた政策分析・評価などが必要不可欠です。今回の講演では、その中で最適化モデルに焦点をあて、国内外においてどのように研究が展開されて来たかについて紹介して行きます。(吉本敦 客員教授)

 生物のゲノムには、種や集団の系譜、個体数の変化などに伴って変異が蓄積あるいは消失することから、種や集団が経験した歴史を反映する特徴が刻まれます。解析の低コスト化および技術の発展により、従来、ヒトやモデル生物でしか行えなかったような研究が、非モデル生物、さらにはすでに絶滅してしまった生物でも実施できるようになり、遺伝情報によって、生態や進化史、種間関係など目視観察や追跡では解らなかったことが次々に解明されつつあります。本発表では、遺伝的変異の解析によりどのような生態や進化を解明できるかといった概要とこれまでに野生生物で行ってきた研究についてご紹介したいと思います。(浜端朋子 特任助教(研究))

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