第72回情報科学談話会のお知らせ(2017年11月14日開催) 福泉 麗佳 准教授「量子流体の数理モデル」・伊藤 健洋 准教授「組合せ遷移への招待」
日時 | 2017年11月14日(木) 16:30~18:30 |
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場所 | 情報科学研究科棟2階・大講義室 |
話題提供者 | 福泉 麗佳 准教授 伊藤 健洋 准教授 |
提供者所属 | 福泉 准教授:システム情報科学専攻 システム情報数理学II分野 伊藤 准教授:システム情報科学専攻 アルゴリズム論分野 |
話題 | 福泉 准教授「量子流体の数理モデル」 伊藤 准教授「組合せ遷移への招待」 |
概要 | 超流動ヘリウムやボース凝縮などの系の流体力学のことを量子流体力学と呼ぶ。 モデル方程式は Gross-Pitaevskii 方程式という名で知られ、非線形 Schroedinger 方程式の特別な場合に当てはまる。 このモデル方程式の導出、波動関数の意味づけ、そしてその長時間的振舞い、など1995年の実験によるボース凝縮体実現以来、物理と相互作用しながら数学による解析が発展し続けている。 古典流体学では見られない「量子渦」の存在が量子流体学の研究におけるポイントであるが、ノイズを加えることによる量子渦生成、さらには量子渦が複雑に絡み合った乱流状態の生成が近年数値的に成功し、確率的要素を伴う非線形 Schroedinger 方程式の数学による基礎研究の流行が欧州で始まった。 この講演では、この確率モデルに対する自身の最近の結果も織り交ぜながら、数学によりどんな新しい物理にアプローチできるのか議論したいと思う。(福泉 准教授) 15パズルをはじめとする様々なスライディングブロックパズルで遊んだことがある方も多いと思います。では、これら馴染みの深いパズルをコンピュータに解かせることはできるでしょうか?今回お話する「組合せ遷移」とは、これらパズルだけでなく、持続的システムの動的な状況等をモデル化し、その計算複雑性を理論解析する研究トピックです。今回は、組合せ遷移の枠組と研究背景をご紹介し、近年急速に研究が発展・深化した本トピックの研究動向にも触れたいと思います。(伊藤 准教授) |