東北大学大学院 情報科学研究科

東北大学大学院情報科学研究科シンポジウム
「情報科学」から「行動の因果」を考える Q&A

講演6SF映画「The Matrix」の世界は来るのか に関するQ&A

回答:片山統裕 准教授(応用情報科学専攻 応用生命情報学)

  • 人間にもともとない器官(例えば翼やしっぽ)を付けて動かす感覚を受け取ることはできるのか。(20代男性)
  • 動物ですが、もともと持っている手足とは別に、BMI技術で接続されたロボット腕を操れるようになった例が報告されています。ヒトの脳はすばらしく柔軟で強力な学習能力を持っているので、十分可能性があると思います。
  • デフォルトモード・ネットワークはどのくらい安定的なものなのか?
    例えば1ヶ月、1年とかで変わるものなのか。あるいは半日後か3日後とかで変わるものなのか。(20代男性)
  • 大人になればデフォルトモード・ネットワークは結構安定で、半年くらいは変化しなかったという報告があります。また、ネットワークの細部に個人差があるので、個人識別にも使えるかもしれないという話も聞いたことがあります。
  • 生体へのフィードバックは難しいとのことだが、反対に生体からのデータを機械上に再現することは可能なのか。もしくは可能となる見込みはあるのか。(20代男性)
  • 現時点では、生体シミュレーションできる条件はかなり限定されます。それは、生体の仕組みに関する知識やデータ、シミュレーション技術、コンピュータの計算能力の不足などが原因です。これらが改善されれば、シミュレーションできることが豊富になっていくと思います。
  • 個人の境界というのは、VRを酷使することで曖昧になりやすくなるといえますか?(20代男性)
  • VRに没入し過ぎると十分ありうると思います。ラバーハンド・イリュージョン実験などでも、その感じが経験できるかもしれません。