東北大学大学院情報科学研究科 シンポジウム「情報科学」から「交通ネットワーク」を考える

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Q&A

講演のテーマ・内容に関するQ&A

各講演に関してお寄せいただいた質問に講演者が回答しております。
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ロードプライシングの逆に渋滞を回避した場合に、インセンティブを与えるという仕組みは有効でしょうか?
通勤交通のように交通需要がほぼ固定で、経路選択だけをする場合は、料金の徴収ではなく協力したらお金をあげますでも原理的にはよいと思います。ただ、お金をあげるか取るかで交通需要が変わる場合には、残念ながらインセンティブを与えることは上手くいきません。
現時点でのボトルネックを解消するとまた新たなボトルネックが生まれるのではないですか?
1箇所のボトルネックだけを対象にすれば、当然そういうことが起こります。しかし、1つのボトルネックで分析した結果を一般化できることが分かっていますので、一般ネットワークでシステムを作ると問題を解決できるでしょう。
分散型の社会交通システムをつくるには企業や個人がそれぞれの欲求や利益追求を考え直さないといけないと思うのですが、それは可能でしょうか?
提案している仕組みは「分散型の処理でよい状態を作りましょう」というものですが、その際に「個々の人々が他人のことを思って行動しなさい」というシステムを作っているのではありません。「他人のことを無視して自分で好き勝手に行動しても、結果的に全体が上手くいく」システムの設計を考えています。その時に使えるのが、人類の発明の1つであるマーケットです。日本では「マーケットは市場原理主義で悪だ」という刷り込みをされている人も多いですが、マーケットは優れたコーディネーションの仕組みです。マーケットを使うと、みんなが自分の好きなように行動しても全体が上手くいく、という提案をしています。
GSIS