東北大学 大学院情報科学研究科シンポジウム 情報科学から健康・医療・創薬を考える

情報科学で、よく生きる。

井上 豪 教授

講演のテーマ・内容に関するQ&A

各講演に関してお寄せいただいた質問に講演者が回答しております。
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  • Q

    MA-Tのようなイノベーションを情報科学で促進することはできるでしょうか?

    A

    情報科学で言うところのイノベーションと、MA-Tのイノベーションは本質的に違いますので、どういうふうに答えていいかわかりませんが、ここでは、MA-Tの研究での経験をベースにお答えしようと思います。MA-Tの研究の端緒は、赤ちゃんにも使える除菌消臭剤を17年かけて作っておられた方が、この除菌消臭剤を抗がん剤に応用できないかという相談を大阪大学に持ち込んでこられたことにあります。成分すらわからない「謎の水」を前に、私は、医学部、薬学部、そして化学の研究者など、あっちこっちの先生に聞きまくりました。それがやがて抗がん剤の開発など、その後の大きな成果につながるわけですが、当時はそんなことは思ってもいませんでした。この経験から言えるのは、情報科学科で新しいイノベーションをというとき、できるだけ大きな夢を持っていただく、そしてどういう人たちを味方にし、自分の土俵に引き連れてくればいいのかを想像し、いろいろな先生に聞きに行かれるというのがいいのではないかと思います。