警報や避難情報が発表されても、それが住民の迅速な避難行動に結びつかないことがあるのはなぜでしょうか。緊急事態に陥った時、人間はどんな認知や判断をする傾向があるのでしょうか。講演では、災害時の人間の心理と情報認知の特徴についてお話しし、今後のために私たち一人ひとりができることは何かを考えます。
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災害に対してムダなくムラなく対応するためには、被害の状況や被害者のニーズ、各組織の対応状況など、さまざまな防災情報を収集し、整理し、共有することが重要です。ことばをコンピュータで解析する自然言語処理技術を活用して災害時のコミュニケーションを支援する試みを紹介します。
大規模災害発生時には、携帯電話がつながらない状況が発生するかもしれません。そんな時でも、東北大学が研究開発した“スマホdeリレー”を使えば、簡単に通信網を形成し、情報を伝達することができます。スマホアプリとして皆さんにご利用頂ける日も、そう遠くありません。
災害ロボットは20年の研究開発期間を経て実用化が進んできました。東日本大震災は、歴史上始めて多数のロボットが活用された大規模災害でしたが、今後10年は、実戦配備が進み、ロボットが不可欠のツールとなっていくと予想されています。本講演では、災害ロボットの最先端研究開発について、実例を挙げて紹介いたします。
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東北地方沿岸部の市街地は、約5年前の津波の被害と、それ以降の復興により、その姿形を大きく変え続けています。私達は、時間の経過とともに市街地がどのように姿を変えてゆくかを、コンピュータによってストリートビューの画像などから明らかにし、可視化する技術を研究しています。その現状を紹介します。
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「天災は忘れた頃に来る」と言われますが、世代を超えて災害の経験を忘れないようにするためにはどうしたら良いのでしょうか。何世代先まで災害の経験を正確に語り継ぐことは、人間の記憶だけでは難しいのが現実です。東日本大震災の記憶、記録、事例、知見を収集し、デジタルアーカイブの技術で次世代に伝え残す試みを紹介します。
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災害からの復旧・復興を進める上で大事になるのは「政治の決断」です。そのため、最後のリーダー選びは重要です。しかしながら、現在の日本の選挙制度は、どちらかと言えばマンパワーに依存した仕組みであり、全国に被災者が避難する状況に対応できていませんでした。被災地の選挙をうまく行うために情報技術をどう活用すべきか、次の災害を見据えた検討が今、求められています。
大規模複合災害であった東日本大震災の経験から、仙台市ではより多様な科学的知見を生かした防災・減災を進めるべく、東北大学との連携を拡大しています。また、国連防災世界会議が仙台で開催され、震災と復興の経験に世界の高い関心が集まる現在、知の創造・発信拠点としての東北大学の存在は仙台市にとって非常に重要です。最近の連携を紹介しつつ、今後への期待を述べます。